断り言葉の基礎・鉄則
達人の会話術

シチュエーション・状況別の語彙力があってこそ成り立つ会話術

「断る」「拒否する」 −相手の要求にNOを示す−

断り下手が多い日本人

狩猟民族である欧米人は、獲物を求めて動き回るために一つに土地に執着する必要がなく、未来の時点で手に入れるであろう獲物に関する権利義務関係を明確にする必要があるため、明確な『NO』を表明する文化を持つようになったと言われる一方、
農耕民族である日本人は、生活の糧を与えてくれる土地に縛り付けられて容易に移動ができないため、各方面への「しがらみ」が増え、他人の要求に対して明確な『NO』を表明する事を苦手にする文化を持つようになったと言われています。
「関係の継続」や「なあなあ」を大切にする母性文化の日本に対し、「関係の切断」や「厳しさ」を大切にする父性文化を持つのが欧米社会とされています。

  • 「後々の関係に悪影響をもたらさないだろうか?」
  • 「自分が頼み事をする時に応えてもらえなくなってしまう」
  • 「はっきりとした理由はないけど、要求に応えておいた方が得策」
  • 「今はまだ決定的な意思表明をする時ではない」

「その場から動く事ができない自分」「容易に逃げ出す事ができない自分」を意識すると、上記にような想い(『しがらみ』)が頭をよぎり、明確なNOが表明できずに意思に反したYESを口にしてしまいます。
「それはそれ。これはこれ」と、一つ一つの事柄を分離して捉える意識が希薄であり、「全ての事柄が全てにつながって影響を及ぼす」と考えてしまいます。

「断る」に関する基礎知識

断る事・拒否を示す事に関する心構え、留意点、断られる側の意識などに関する基礎知識

「どこまでいっても拒否は拒否」

どれほど苦心して言葉を尽くしたとしても、「断り」「拒否」を受け取るのは相手であり、その事をどの様に受け止めるのかは相手次第。
相手が置かれた状況や気分、相手がお互いの関係性をどのように捉えているのかによってもその反応は大きく左右されるものであるため、断る事がもたらす結果への一定の覚悟を持つ事と、「気に掛けすぎても意味がない」といった開き直りを持つ事が大切。

しゃべり過ぎに注意

策を弄さず、無用な嘘を重ねず、短くシンプルな断り言葉を繰り返す事が結果としてベストである場合が多い。
断る理由に関する情報を多く与える事は、NOを受け入れるつもりが無い相手に攻撃に足がかりを与える事になる。

思った程気にしていない相手

余程の粘着気質を備えた人でなければ、断られた事をいつまでも覚えているのは難しいのが現実。
断られる事を承知の上で(ダメで元々精神)、希望や要求を口にする交渉上手も数多い。

普段と大差のない態度

声の大きさやトーン、表情などに関し、普段と違い過ぎるそれらを見せる事は、感情の揺れを示して付け入るすきを与える事になる。
余計な期待を抱かせてしまう結果を招きがちになるため、
「出来ない事をNOと言うのは当たり前」「大きな迷惑を掛けないためにもきっぱりとNOを言う必要がある」といった意識を持ち、普段に近い態度を示す事が大切。

断られる側の代表的な反応

怒り
「受け入れて当然」と考えていた事柄を断られた場合、嘘や不誠実を感じとった場合、断り方に気遣いが感じられない場合、断られると自分が大変になる場合・・など、断られた場合に人が見せる最も一般的な反応
泣き落とし
断られる事をどうしても避けなければならない理由がある場合で、相手の言い分にもっともな理由が感じられる際、感情に訴えかける方向に活路を見出そうとしてとる反応
落ち込む
断られる事をある程度予測してはいたものの、その現実に直面した時に取られる事が多い反応

断る際の鉄則

依頼を要望、誘いを断るには勇気と技術が必要です。
依頼をしてくれた事に対する感謝の気持ちや、二度と声を掛けてくれないのではないか?という不安な気持ち、相手の立場やメンツを潰してしまわないか?という配慮の気持ちのため、その場で明確なNOを言いたくても、かなり難しいものです。
断る事の技術的鉄則のついて

感謝の言葉
声を掛けてくれた事、自分を見込んでくれた事、自分を頼りにしてくれた事・・など、まずは依頼・誘いの相手として選んでくれた事に対して感謝の気持ちを表明
お詫び・NOの表明
、状況や依頼・誘いの内容にもよりますが、「申し訳ありません」「生憎ですが」「ご意向に沿えません」など、シンプルな言葉を明確に表明
理由
『条件・状況』
依頼内容や自分が置かれた現在の立場・状況など、条件面での断る理由を説明
『ポリシー』
自分の信条や受け継いだ教えなど、生きていく上での基準に反している事を理由として説明
代替案の提示
「断って終わり」とはいかない場合は、時間・納期・金額といった条件面の見直しを要求
達人の会話術

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