はぐらかしの技術 / 達人の交渉術

時間の経過を待つ達人の業

先延ばし・繰り延べ・言質を与えない

意思決定を行わない「はぐらかしの業」「先延ばしの業」

  • 有利な条件が出てくるまでは意思決定を行わない
  • 時間の経過が持つ効果(相手の焦りや不安)を最大限に活用
  • 徹底的にじらす
  • 充分な時間的余裕がある際に活用
  • 自らは意思表示せず、相手が提案に変化を付ける事を待つ
  • 前懸かりで性急な交渉態度を見せる相手の真意、隠された要素を探る際に有効

「交渉術」というと、双方が前向きに何かしらの合意点に至ろうとする過程をイメージしがちですが、日常的に行われる交渉の現場においては、
【買う側−買ってもらう側】【売る側−売ってもらう側】【雇う側−雇ってもらう側】【ミスを犯した側−クレームをつける側】といった具合に、双方の立場はフラットなものではない事がほとんです。

立場の違いは心理的なアドバンテージとなって意識され、有利な立場に立つ側としては、時間の経過がもたらす効用を得やすくなります。
はぐらかされて待たされる側の心の中では、良い返事を期待する事以上に悪い返事がもたらせる事への不安が高まります。
そして、「はぐらかし=不満足」といった思考に至る事によって、何もしなくとも相手側からより有利な条件を提示してくる事が多くなります。

交渉事においては、心理的な負い目を抱く事が大きな意味を持つ事になりますので、「〇〇してもらう立場」の人はそれを見透かされない事が大切になります。

時間の経過を活用

言葉や活字で見聞きすれば何でもない事に感じられますが、明確な意思表示を避けて時間が経過するのを待つ事は非常に難易度が高いものです。
時間が経過する事を待つという状態に居続けるは、自己を強くコントロールする能力を要します。

“時間が過ぎ去るのに物事が進展しない”という状態は、相手にとって不安が募る事と同様に待つ側にとっても不安が募ります。
どのようなレベルの問題であろうとも、不安な状態に留まり続ける事が快適な状態であるはずはなく、早く不安を解消するために有利な立場である事を忘れて適当なところで手を打つ事が多々あります。

時間の経過を活用

交渉術の世界では、
「待ちの技術は自己制御の技術」「時間を味方にできる者が最後には勝つ」とされています。

注意

  • より良い条件を引き出すためのものとは言え、提案される条件に関する世間相場を把握していないと、交渉そのものが泥沼化してしまう
  • 元来が白黒はっきりさせる事をよしとする価値観を持つ人にとっては、具体的な意思表示をせずに時間経過を待つことは大きな苦痛になる
  • 長期に渡る交渉においては、相手に対する憐憫・同情の念が生じ易くなる

まとめ

一般的には立場の違いを利用してより良い条件を引き出すための時間利用術として知られますが、フラットな立場での交渉においても有効なものです。
感情(感情の起伏)が交渉事に臨む人の態度に大きな違いを生み出しますが、当初抱いた感情のレベルが変化縮小する事なく持続する事は通常あり得ません。
そういった感情レベルの変化に大きく寄与するものが時間です。
じっと時間の経過を待つ事を覚えられると、繰り出す事ができる交渉術の幅が大きく広がります。

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