脈あり・脈なしを見抜く「人間観察の業」
人の行動と心を扱う心理学には様々な分野(産業・行動・社会・・)が存在し、始終面白い実験が繰り返されています。
普通の環境に暮らして普通の社会生活を行っていれば、自然に身に付く人間関係上の知恵ですが、「人間関係が希薄になった」と言われる現在は、人間関係の疑似体験をする事に通じる心理学を学ぶ必要が大きくなっていると言われています。
「行動を科学する」「心の傾向を実生活に活かす」などの表現で表される、それら実験・観察に関する記述には大変興味深いものが数多くあります。
あくまでも心や行動の傾向であって、絶対不変のものではありませんが、そうとは気付かず相手が発しているサインを見逃さなければ、交渉事を進めていくにあたって非常に有利に働くのは間違いありません。
そのまま一押しをすればよいのか、一旦は引き下がった方が良いのかを判断する人のしぐさを紹介。
「脈あり」・「YES」・「同意」・「賛同」のサイン
- 全体的にリラックスしていて、体のどこにも力が入った部分がない
- アゴをさする
- 目に見える範囲にある邪魔なものを片付けようとする
- 手を机の上に静かに置いている
- 手のひらを見せて軽く開いている
- 自分の動きに合わせて視線や姿勢が動く
- じっくり、ゆったりと腰掛けている
- 腕を組んで相づちをうつ
『恋愛 心理』などのキーワードを用いて検索すれば、「彼女のOKサインを見逃すな」といったページに必ず行き当たります。
事が仕事であろうと恋愛であろうと、それとは知らずに人が示すOKサインは場面や状況に関わらず共通のものとされています。
「脈なし」・「NO」・「否定」・「拒否」のサイン
- 固く拳を握っている
- 肩や肘に力が入っている
- 書類やペンなどをしきりにいじる
- 時計を見る機会が多い
- 眉間にしわが目立つ
- 体をリラックスさせるための行為が増える
- 一瞥をくれるだけの視線
- 難しい表情で手を頭に後ろに組む
交渉事において避けるべき状態の第一は、相手に嫌われない事が挙げられます。決定的に嫌われる事なく、どんな細い糸でもよいので次につなげていく意識の有無とそれを実行する技術が重視されます。
相手の顔色を見て気配りや心配りを働かさず、言いたい事だけを一方的にまくし立てる相手とは二度と話したくないと思うのが人情です。
交渉事にはいろんな場面や状況がありますが、どんな交渉事であっても相手があって初めて成立するものである事は間違いありません。
「進んでその場に臨む」とまではいかないまでも、少なくとも嫌われて交渉の場を与えてもらえない事態は避けなくてはなりません。
交渉を行う人ごとに違う性格や考え方、それまでの成り行きによっては、
『相手の嫌がる気持ちを無視して粘りに粘る』交渉スタイルが大切な場合もありますが、拒否やその場に心がない事を感じ取った場合は、基本的には話題を変え、早めに切り上げて一旦引く事が大切です。
決定的に嫌われれば挽回のチャンスを得る機会は無くなります。
注意
- あくまでも人が見せるしぐさの傾向であって真理ではないため、その場その場での柔軟な対応が必要
- 気楽な気持ちで心のどこかに留めておく程度の意識が無難
- 個別の場所だけで判断せず、マイナスの要素を見て取ったとしても、表情や姿勢などを総合的に観察する必要がある
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