理解を促進する対比・比較
- 広く知られているもの持ち出して説明を加えたいものと比較
- 漠然としがちな会話の中によりイメージし易いものを持ち込む
- 一般的な価値基準(メリット−デメリット、長所−短所)に従って比較
- より身近に感じる比較要素を考える
- 明暗を際立たせる事でイメージを喚起する事を常に意識
- 自然な形で詳細な説明が行える
比較的時間に余裕が有る場合で分かり易い説明を目的とする会話術です。
「子供に対してはその乏しい語彙力に配慮。ご年輩の方には流行り言葉を使わない。社外の方には社内用語を使わない・・」 通常心掛けるべき会話の基本です。
何かを理解、判断するためには、話し手と聞き手の間に共通のイメージ対象が必要となります。
相手にとって意味が分からない言葉を並べ立てる行為は、話し手の一方的な語り掛け行為、独り言でしかありません。
日常的に行われる人の判断に際しては、ほぼ間違いなく「比較行動」「比較認知」が行われています。
お互いが一定の情報を持っているであろう比較対象物を引き合いに出し、相手にとっては未だ未知のものと対比を行う事で説明が容易になります。
スイカに塩を振り掛ける事でより強い甘みを感じる事と同様に、
「違い」「ギャップ」に焦点を当てて際立たたせ、説明を加えようとするものへの興味や印象を強く残す事が可能になります。
煙に巻く比較表現
明確にそれと理解させる事だけを目指すのが説明行為の目的ではありません。
『分かった気持ちに』させる事が非常に大切な要素とされます。
- 東京ドーム〇〇杯分に相当
- レモン30個分に相当するビタミンC
- 成人男性の一日必要摂取量の半分に相当
- ゾウが2頭乗っても壊れません
具体的な対象物を引き合いに出して疑う余地がない数字を盛り込む説明は、分かったような分からないような状態を生み出します。
頭の中で明確なイメージがつくり出されますが、引き合いに出した数字がそもそもよく分からない数字です。
しかし、
科学的な分析調査を行い、基本的には効果が確認できた事しか行わないテレビCMなどで利用させ続けているところをみると、
「分かった」「分かり易い」といった気分にさせる事が納得を生み、直接的な購買につながっている事がうかがい知れます。
ものは言い様の分割比較表現
- 一日あたり400円。 タバコ1箱と比べてください
- 一日あたりガソリン3L分に相当
- 一日あたりたったの300円。コーヒー1杯分です。
完全な飽和状態にあるとされる保険天国日本ですが、
生涯支払額 → 年額 → 月額 → 日額と、
より小さな数字をアピールする事にやっきになっています。
単純に割っただけの数字であったり、実際は年払いにした方がお得であったりしますが、より身近な一日単位にひき直して表現される事で具体的お得イメージがかきたてられます。
|