会話の振り方 / 達人の会話術

会話をコントロール

名前を呼ぶ・「どう思う?」「教えて下さい」

名前を付けて呼びかける

  • 会話の冒頭か最後に相手の名前を入れて話す。呼びかける
  • 余程変な名前でない限り名前を呼ばれる事を嫌う人はいない
  • 敵意が無く、相手を尊重する意思を持っている事を表現できる
  • 相手の自己概念を呼び起こし、怒りを鎮め易るための自己客観性を喚起する

普段使いにも良いのですが、クレーム対処に特に有効とされる会話術です。
「お前って言うな!」「ちゃんとした名前があります!」などは、恋愛ドラマに中で耳にする事が多いフレーズですが、人にとって他の何者とも違う存在である事を唯一かつ簡単に証明する事ができるものが自分の 『名前』 です。

「人にとって一番心地良く響くのは自分の名前」といった言葉があるように、遠い昔から馴れ親しんでいる名前を呼ばれる事は安心感や自己有用感に連なります。
いつもいつも名前付きで呼びかけていては少し気持ちが悪いですが、会話の中に意識的に相手の名前を盛り込む事が序々に良い印象を与えていく事は間違いありません。

クレーム対応の基本は相手の存在を認める事

名前を呼ばれる事は自分の存在を他人が確認している事を意味します。
クレーム行動を行う人の心の中には、
「バカにされた扱いを受けた」「自分を過少に評価された」「クレームを行っても存在を無視されはしないだろうか?」といった想いがあります。
更に、少なからず我を忘れている状態とも言えますので、自分の存在をはっきりと認識できる自分の名前を聞く効果は大きいとされます。
クレーム処理の際は、少し多めに感じる位に相手の名前を呼びかけると良いはずです。

「どう思う?」「意見を聞かせて」「教えて下さい」

  • 相手の意見や考えを求める
  • できれば名前付きで
  • 存在や持っている意見・能力への信頼の証を示す
  • 独善的に物事を進める印象を薄める

名前付きで呼び掛けられる事と同じく、「意見を聞きたい」の中には、相手の存在を認めて相手の能力を信頼・承認している事を印象付けます。
例え立場に大きな隔たりがある相手であっても、そこに存在する一員として認められる「承認欲求」を持つ事に違いはありません。

自分が上司の立場であったとして、いつも「ありません」「特にないです」といった応答を返されれば嫌になって尋ねる事を止めてしまいがちですが、聞き方に問題がある事も考えられます。
本当に聞きたい気持ちを表していないのかもしれません。
少なくとも業務に対する一定の緊張感を保つ事には役立ちますので、意見を求める事を止めてしまったら貴重なマネジメント上の武器を失くしてしまうことになります。

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