説得の鉄則
- 説得への道筋は一つではない。人には好みの説得のされ方がある
- 何かしらの力関係において上位に立つ立場でない場合、ゴリ押しは反発(リアクタンス)を生じさせ易い
- 仕事の場では論理的な話し方が基本となるが、感情面への配慮が伴わないと不調に終る事が多くなる
- 説明過多は興味を無くさせ、説明過少は不満を抱かせる
- 「権威」「力」「専門性」/「熱意」「意欲」を感じさせる事がカギ
自身の要求や意見への同意や納得を引き出すのが『説得』で、言葉を尽くして説明を行い、考えるであろう障害要素への答えを用意していても、結局は不首尾に終る事が多いのが人を説得するという行為です。
どんなに頑張っても、相手が説得され易い状態になければ上手くいきません。
「基本的に人を説得する事は難しい、無理」 といった認識を持った上で、少しでも説得されやすい状態を作り出すために力を尽くす事が人を説得する際の鉄則とされます。
片面(一面)提示話法
- デメリットには極力触れずメリットのみを述べる
- 商品や業界、事柄に関する知識や経験が乏しい相手に対して有効
- 対象とする事柄に対する関心度が低い相手に対して有効
- 面倒を嫌う相手に対して有効
- 短いフレーズやセンテンスでメリットを連呼
- メリットを徹底的に力説し、同時に熱意を伝える
ベテラン家電販売員は、お客の「間合い」「温度」をはかるために軽い質問を投げ掛けます。
軽いジャブで相手の様子を伺い、知識不足や理解力の低さを感じ取ると、商品に関するメリットを中心に並び立てます。
あまり難しい説明を行うと混乱を招いてしまい、時間ばかりをくってしまう結果になる事を知っているからです。
メーカー側が考える商品メリットを、そっくりそのままの形では表現せず、それが実際の生活に何をもたらしてくれる機能なのかを説明して納得を生み出します。
両面提示話法
- メリットのみならずデメリットも述べる
- 相手の尋ねられる前に自らデメリットに言及する
- 知識や経験が豊富な相手に対して取るべき方法
- 自分の事を「頭が良い」「教養がある」と考える人に対して取るべき方法
- 世慣れた印象を抱かせる人に対して取るべき方法
- 正直さや誠実さを印象付ける
- デメリットに対する一定の納得の上で購入するため、クレームが少ない
一般的に説得効果が高いのは、良いも悪いも隠さない両面提示法であるとされています。
物事には良い面と悪い面、長所短所がそれぞれ存在する事を熟知している世慣れた人に対し、良い面だけを連呼する姿は疑いの目で見られてしまいます。 あらゆる事柄に関する情報が得やすくなっている現在では、、デメリットに関する情報を提示しない姿には(意図的か否かに関わらず)、「嘘」や「不誠実」を感じ取られてしまいます。
「金額が高い」などのデメリットに言及しても、その理由の説明が即ち長所の説明になります。
高いのには高いなりの訳がある事の説明が相手の心に届けば、高い確率で納得が生み出される事になります。
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